健康寿命を延ばす「NMN」の驚きの効用

日本では平均寿命が伸びて、ただ単に”長生き”するだけでなく「健康的に自立して生活できる時間を長く過ごす」ことに関心が集まるようになりました

健康寿命は、2000年にWHO(世界保健機関)が提唱し「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています

▼健康寿命とは

「介護を必要としないで、健康で日常生活に制限がない期間」のこと

また、「平均寿命」というものもあります

▼平均寿命とは

「0歳時における平均余命」のこと

「平均寿命」と「健康寿命」の差が”生活に支障が出る期間”ということになります

【平均寿命-健康寿命=不健康な期間】

つまり、平均寿命と健康寿命の差が縮まらないと、医療費や介護費の高騰を抑えることができないという事になります

長生きは長生きでも”健康”で長生きがいいですよね

サーチュイン遺伝子のタンパク質

サーチュイン遺伝子は、アメリカマサチューセッツ大学のレオナルド・ガレンテ博士により発見されたタンパク質です

サーチュインとは、多くの生物で老化や寿命を制御するとされるサーチュイン遺伝子が作り出すたんぱく質です

このタンパク質は、哺乳類にも7種類あります(sirt1〜sirt7)

▼sirt1〜sirt7の役割

  • sirt1:代謝に関わる多くの分子を制御
  • sirt2:脂質代謝の制御
  • sirt3:アデノシン三リン酸※1の産生
  • sirt4:癌抑制遺伝子・インスリン分泌
  • sirt5:代謝関連酵素が多い・尿素回路制御
  • sirt6:DNA損傷修復・脂質代謝制御
  • sirt7:癌細胞の増殖や形質維持の働きかけ・rDNA転写

※1アデノシン三リン酸とは、生命のエネルギーの通貨と呼ばれており、様々な酵素反応のエネルギーになっている

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sirt1〜sirt7をまとめて”Sirtuin”(サーチュイン)と呼ばれることもあります

この中で、カロリー制限により活性化される長寿遺伝子はsirt1です

またsirt1は、科学誌ネイチャーによると「記憶力強化や脳活動の活性化」にも重要な役割を果たしている可能性が高いとの報告されています

NMNとは

NMNとは、ニコチンアミド モノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide)の略でNMN

ニコチン酸の一種で、ビタミンB3群の中に含まれます

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ニコチン酸は”ナイアシン”ともいわれます

この”NMN”は何がスゴイかというと

前述した、サーチュイン遺伝子の「sirt1〜sirt7全てに働きかけてサーチュイン遺伝子を活性化する」という事!

全てですよ!

NMNがサーチュイン遺伝子の全てに作用する事で「老化防止・細胞の活性化・内臓全体の若返り」などの効果が期待できます

NMNは、本来あらゆる生物の細胞に存在しています。体内で自然に組成される物質ですが、加齢に伴い体内でNMNの生産能力が減退します。その結果、様々な身体機能の修復機能が失われると考えられています

抗老化作用

このようなマウスの実験があります

▼糖尿病のマウスにNMNを投与

マウスの「すい臓」や「肝臓」の機能が改善して、糖尿病に対して劇的な改善がみられた

▼生後22ヵ月のマウス(人間で60歳相当)に1週間NMNを投与

筋肉細胞の働きが生後6ヵ月(人間で20歳相当)にまで若返った

この他、NMNを与えられたマウスの寿命が16%延びた、完治が難しいとされる「心臓・肝臓」の疾患に効果を示したなどが挙げられます

老化に伴った、さまざまな機能低下が抑えられている事が分かりました

つまり”NMN”に「抗老化作用」があるという事になります

生物の酸素消費の90%以上はミトコンドリアで消費されます。ミトコンドリアが活性化する事で「身体機能が正常」に働きます。NMNを摂取しミトコンドリアの活性化を行う事が重要だといわれています。

つまり、ミトコンドリアの活性化が老化現象を遅らせると考えられています

NMNの8つの効果

NMNは堀江貴文さんのツイートで、さらに知名度があがりました

▼NMNの効果

  1. ミトコンドリアの活性化
  2. 抗老化作用
  3. 体重を減らす
  4. 血糖値を下げる
  5. 中性脂肪・コレステロールを減らす
  6. 視力の改善
  7. 骨密度・筋肉密度の向上
  8. 免疫機能の改善

NMNの効果はスゴイですが、懐疑的な方も多くいます

順天堂大学大学白澤卓二教授のコメント

「可能性は否定しませんが、マウスの実験は一定のコントロールされた環境下でおこなわれた実験ですからね。その実験で寿命が16%延びたからといって、人の寿命も単純に16%上乗せするというのは、あまりに短絡的な結論です」

確かに、人間とマウスをを同列には論じられません

しかし、サーチュイン のメカニズムは人間もマウスも同じなことから、効果は期待できると思われます

NMNを含む食品

▼NMNを多く含む食品

食品名 NMN量(mg/100gあたりの食品)
枝 豆 0.47-1.88
ブロッコリー 0.25-1.22
きゅうりの種 0.56
キャベツ 0.00-0.90
アボガド 0.36-1.60
トマト 0.26-0.30

食品では、枝豆やブロッコリーが多く含まれていますが、マウスによる試験は「体重1kgあたり100〜300mgのNMNを摂取した結果」です

このことからも分かるように、食品にはあまり含まれていません

マウス実験で投与した100mg/kgは、人に換算すると約8mg/kgに相当するそうです

NMNは、ナイアシンが体内で変換されてできる成分のため「ナイアシンを多く含む食品」若しくは「サプリメント」で摂取するのが望ましいかもしれません

また、体内に入ったナイアシンが全てNMNになるというわけではありません

NMN以外に、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やNADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)にもなります

今後のNMNへの期待

近い将来は、NMNで癌を治すという様な効果が期待出来る研究が進められています

また、人間だけではなく「ペット」や「その他の産業」など様々な応用が可能になる可能性があります