
毛細血管が「アンチエイジング」に大きくかかわっていることをご存知ですか?
人間の血管をすべて繋ぎ合わせると地球2周半の長さといわれています。
なんと、毛細血管は全身の血管の99%を占めています!
栄養分を行き渡らせたり、老廃物の回収を行ったりと重要な役割を担っています。
そのため、毛細血管をケアするとシミやシワを防止してアンチエイジングに役立つと言われているのです。
血管の老化
健康寿命を長く保つためには、動脈硬化を防ぎ血管を若く健康に保つことが大切です。
生活習慣病(糖尿病・高血圧)や喫煙などの要因で血管が弾力性を失い、様々な物質が沈着し狭くなった動脈内の血流が悪くなる状態のこと。
しかし、医学でも血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ治療は行われていますが、検査で調べているのは1割に満たない太い血管です。
最近の研究で分かってきたことは、毛細血管は年齢と共に減っていくということです。
皮膚の毛細血管を調査した研究では、60~70代の人は20代に比べて、毛細血管が4割も減少していました。
毛細血管が減っていくと、体の隅々まで栄養素や酸素が行きわたらない状態となります。
そうすると「シミ」や「しわ」の原因になります。
また「抜け毛」や「冷え症」「免疫力低下」を招いて、様々な病気にかかりやすくなると言われています。
これが、血管年齢と見た目年齢には関係があると言われている理由です。
臓器の毛細血管が減れば、様々な機能低下や病気が起こる可能性もあります。また、年をとるとお酒が弱くなったりするのは、毛細血管の減少が要因のひとつと考えられるようになっています。HIDEOUT
毛細血管の働き
血管の99%を占めている毛細血管ですが、太さは約10ミクロン(0.01ミリ)です。
約10ミクロンとは、赤血球が1列に並んでやっと通れる程の太さです。
その、細い毛細血管の働きは下記の5つです。
- 毛細血管を通して、栄養素が取り込まれ、全身から不要な老廃物を回収する
- 毛細血管を通して、全身に酸素を届けて二酸化炭素を回収する
- 免疫物質を全身に届けることで、病気から体を守る
- 全身に成長ホルモンなどを運び、体に必要な情報伝達を行なう
- 汗などにより、皮膚の表面の体温調整を行なう
ゴースト血管とは
毛細血管は、血液が流れ続けることで、みずみずしい状態を保ち健全な状態を維持しています。
しかし、なんらかの原因で血管構造が破綻してしまうと、輸送途中に血液成分が漏れ過ぎてしまい、末端まで届かなくなります。
その状態が続くと、毛細血管はボロボロになり、最終的には消失してしまいます。
人のいない街を「ゴーストタウン」といいますよね。
そこで、血液の流れない血管のことを「ゴースト血管」と呼ぶようになりました。
ゴースト血管の原因
ゴースト血管の原因の一つは、加齢によるものです。
年齢とともに血管も老化して、ゴースト血管は起こると考えられています。
しかし、最近では年齢に関係なく若い世代でもゴースト血管のある人が増えています。
それは
・睡眠不足
・食生活の乱れ
これらの、生活習慣が大きく影響していると言われています。
傷ついた毛細血管は、睡眠中に修復されます。
今は、若い世代を中心に睡眠不足の人が多いため、傷ついた血管は十分に修復されず、ゴースト血管になると考えられています。
甘いものやドカ食いなども血管に負担を与えます。過剰な糖を摂取した際に、体内で生成される成分が血管の細胞を傷つけます。HIDEOUT
ゴースト血管が関係する病気
脳は多くの血流を必要とする場所で、身体に取り込んだ酸素の2割を消費しています。
ゴースト血管で血流が滞ると、認知症患者の脳に「白質病変」が現れることが分かっています。
白質病変とは、脳深部の白質というところで、血の巡りが悪くなっている状態のことです。
以外かもしれませんが、毛細血管は骨の丈夫さとも関係しています。
骨は日々古い骨が壊され、新しい骨に作り替えられています。
この作り替えに、必要な栄養を骨に運んでいるのが、毛細血管なのです。
骨に栄養がいかなくなると、作り替えられないため骨がもろくなり、骨粗しょう症を招きます。
血管が衰えると、血流が滞ります。
そのため、心臓からでた温かい血液が、皮膚に届く頃には冷えてしまいます。
それが冷えとなります。
冷えは、便秘や肩こり、むくみなどを引き起こします。
肌の毛細血管が衰えれば、ターンオーバーがうまくいきません。乾燥やくすみ、吹き出物やごわつきなどの肌トラブルが起ってしまいます!頭皮の毛細血管が衰えれば栄養がいかず、髪から水分が失われてパサついたり、抜け毛が増えてしまいます!HIDEOUT
毛細血管を増やす方法
毛細血管は、自律神経の働きにより血管の収縮と拡張を切り替えて「酸素」や「栄養素」「ホルモン」を届けます。
そのため、自律神経の交感神経と、副交感神経のバランスを整えることが重要です!
毛細血管は不規則な生活やストレスで自律神経のバランスがくずれると、血管が枝分かれする根元の部分が圧迫されます。
そして、毛細血管が細くなり血流が悪くなって機能が低下していきます。
最悪の場合ゴースト化して、血管自体が消滅し、数が少なくなってしまうこともあります。
でも、毛細血管は一度ダメージを受けても再生することができます。
毛細血管を復活させるカギは、毛細血管の血流をアップさせることです!
1.食事
青魚に含まれるDHAやEPA、野菜や果物に含まれる「ビタミンA・C・E」
そして「ネギ・タマネギ・ニンニク」といった香味野菜に含まれる「硫化アリル」といった成分は血流を良くすると言われています。
①抗糖化
老化の元凶はAGEと言われています。
AGEとは「Advanced Glycation End Products」の略で、直訳すると「終末糖化産物」
「たんぱく質」と「糖」が加熱されて劣化した「たんぱく質のなれのはて」ということことです!
強い毒性を持ち、老化を進める原因物質とされいます!
AGEは調理方法によっても大きく変わります。
サラダや刺し身など生ものには少なく、豚カツやステーキなど油を使って高温調理したものには多く含まれます。
鶏肉の場合、水炊きのAGE量を1とすると、焼き鳥は5倍、唐揚げは10倍になります!
「焼く・揚げる」などの高温調理より「ゆでる・蒸す・生」がおすすめです。
②抗酸化
血管の老化を防ぐには、抗酸化作用を持つビタミン類の摂取が必要です。
- ビタミンA
(鶏レバー・豚レバー・うなぎ等) - ビタミンC
(パプリカ・アセロラ・パセリ等) - ビタミンE
(魚卵・モロヘイヤ・アーモンド等) - コエンザイムQ
(いわし・サバ・豚肉等) - ポリフェノール
(ワイン・コーヒー・ウコン等) - 硫化アリル
(にんにく・ネギ等) - カロテノイド
(ニンジン・ほうれん草等)
③一酸化窒素
血管を柔らかくする一酸化窒素は、運動やマッサージなどで血流量が増えたときに分泌が増えます。
しかし、食べるだけでも一酸化窒素を増加させる食材あります。
- ヒハツ
- シナモン
- ルイボスティー
これらに共通するのは「ピペリン」という物質です。
ピペリンは、一酸化窒素の産生を促して、血管を拡張させ血流をスムーズにします。
ヒハツは、コショウ科に属しています。
主に東南アジアで生産されております。
ブラックペッパーは大好きなのですが、ヒハツは正直苦手な味でした。使うときは、少量にしています。HIDEOUT
運動
ハーバード大学などの研究で、運動をしている人は血管を修復、再生する「成長ホルモン」の分泌が多いことが分かりました。
筋肉を鍛えたり、有酸素運動をすることで、眠っていた毛細血管が「酸素」や「栄養」などを筋肉に運ぶために目覚めます。
運動を継続することにより、新しい毛細血管が作られることが分かっています。
おすすめは、「ウォーキング」「筋トレ」「水泳」です!
その他、血流をアップさせるために効果的なのが「スキップ」です。
ふくらはぎは、第二の心臓と呼ばれているので、ここを鍛えると全身の血流が上がります。
スキップができない場合は、立っているときに、かかとの上げ下げをするだけでも効果があります。
睡眠
血管のメンテナンスは、夜眠っている間に行われます。
睡眠時間は7時間が理想的です。
アメリカで、6年間かけて110万人を対象に実施された「睡眠時間と寿命について」の調査では
死亡率が低く長生きだったのは睡眠時間が7時間の人だったという結果が出ました。
なるべく起床・就寝時間を一定にすることが、質のよい睡眠を得るコツです。
睡眠時間が短いと、全身の毛細血管に成長ホルモンが行き渡らずに、体を修復することができません!HIDEOUT
入浴
毛細血管が働くためには、自律神経の存在が欠かせません。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。
入浴は体をリラックスさせる「副交感神経」を優位にさせます。
副交感神経が優位になることで、末梢の毛細血管までしっかりと開きます。
そのため「栄養」や「酸素」そして「成長ホルモン」「メラトニン」などのホルモンを全身に行き渡らせます。
それが、毛細血管のメンテナンスに繋がるのです。
最後に
毛細血管は、人体最大の臓器と呼ばれており、健康やアンチエイジングに大きく関わっています。
きることから日常に取り入れて、健康な毛細血管を増やしましょう!
そうすると、免疫力も上がり、病気になりにくい健やかで若々しい体を手に入れているでしょう。
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