
今、様々な病気の予防として注目されているのが”ビタミンD”なんです。
しかし、ビタミンDの働きは意外と知られていません。
そこで、風邪やインフルエンザの予防にもなるビタミンDの効果について説明します。
ビタミンDで丈夫な体づくりを目指しましょう!
ビタミンD不足チェック
まずは、ライフスタイルからビタミンD不足をチェックしてみましょう。
⬜︎スポーツジムなど屋内で運動している
⬜︎夜勤などによる夜型中心の生活
⬜︎勤務場所が駅に直結している
⬜︎日焼け対策を行っている
⬜︎外出する機会が少なく家に閉じこもりがち
チェックがついた方は、血液検査にてビタミンDを測ってみるといいかもしれません。
仙台市「JR仙台病院」では予約不要で気軽に検査できますのでおすすめです。また、ビタミンD以外にも様々な検査コースメニューがあります。
◼️JR仙台病院→スイスイ検診
ビタミンDについて
ビタミンDは6種類ありますが、私たちにとって重要なビタミンはビタミンD2とビタミンD3です。
ビタミンD2は植物由来でビタミンD3は動物由来のビタミンです。
ビタミンDは食品から摂取するだけではなく、体内で作ることができるビタミンです。
ビタミンDは、日光に当たることで作られる特性があります。
紫外線を敵視している人もいますが、ビタミンD3を作るバランスを考えながら生活することも大切なのです。
「ビタミンDの働き」や「ビタミンD」を多く含む食品などはこちらの記事に書いてあります。
ビタミンDの効果
骨とビタミンD
ビタミンDは骨を丈夫にします。肝臓や腎臓で活性化されて、腸管からカルシウムの吸収を促進します。この働きが、血液中のカルシウムの濃度を高めて、※破骨細胞の働きを抑制することで骨を丈夫にしします。
※破骨細胞とは骨の破壊に関与する細胞。骨を溶解させ,血液中にカルシウムなどを供給する。
免疫力とビタミンD
ビタミンDは※マクロファージを活性化する作用があるります。
細菌やウイルスなどの異物が侵入したら、マクロファージが活発に動くため、病気や感染症にかかりにくくなります。
※マクロファージは白血球の一種。体内に侵入した細菌やウイルスなどを食べる働きがある。
脳とビタミンD
マンチェスター大学による研究結果では、ビタミンDを多く摂取すると脳力も高いことが認められています。
欧州の専門家らの協力のもと、40歳から79歳までの男性3000人以上を対象に、ビタミンDの摂取量と認識能力を比較した。すると、摂取量が多い男性では、注意力と情報処理速度を見る神経心理検査で一貫して良い成績を示した。また、摂取量が少ないと情報処理速度が遅くなるという明確な相関性も認められた。
また、ビタミンDは鬱病を改善する作用があることが分かりました。
鬱病というものは、脳内の神経伝達物質の不活性化がもたらす疾患です。ビタミンDの受容体が脳内でも「前頭前皮質・海馬・視床・視床下部」などの部位に多く発現しているのが確認されています。
その他、ビタミンD不足は認知症にも関係があります。
英国エクセター大学の研究によると、血中ビタミンD濃度と認知症発症の関係が認められました。
10~20/ml未満の軽度欠乏群は53%、10/ml未満の重度欠乏群に至っては、実に125%もの確率で認知症を発症することがわかったのです。
イランのイスファハン医科大学の研究チームは、統合失調症とビタミンDの関係を調べています。
対象となった3千名近くの人を対象に、ビタミンDの摂取量とメンタルヘルスの相関関係を調べると、ビタミンD不足の人の統合失調症のリスクが2倍以上も高かったことがわかりました。
対象者のうち、統合失調症患者の血中のビタミンD濃度も調べたところ、65%がビタミンD欠乏だったことも判明しています。
ビタミンDは、骨の形成や免疫だけではなく”心の健康”にも関わっています。HIDEOUT
子宮筋腫とビタミンD
アメリカ国立環境衛生研究所の子宮筋腫研究では、ビタミンDの血中濃度が高い女性は、子宮筋腫になりにくいことが明らかになりました。
ビタミンDの血中濃度が十分(20ng/ml以上)な女性は不足している(20ng/ml以下)に比べて子宮筋腫のリスクが32%低く、1日に日光に1時間以上あたる女性も子宮筋腫のリスクが40%低いことがわかりました。
糖尿病とビタミンD
糖尿病は、世界規模の問題となっており「糖尿病」と「ビタミンD」との関係が報告されています。
糖尿病血中ビタミンD濃度が高い群は、低い群と比べて、Ⅱ型糖尿病のリスクが64%低いことが報告されています。
また、フィンランド乳幼児10,000人を対象の研究においては、ビタミンDの摂取によりⅠ型糖尿病発症リスクを88%抑制できたとの報告があります。
癌とビタミンD
イギリスの医学誌電子版に、国立がん研究センターの研究が掲載されたことにより注目されるようになりました。
血液中のビタミンD濃度が、一番多い人たちのグループは最も少ないグループと比較すると癌になるリスクが22%も低いという結果が出ました。
さらに、肝臓癌は55%もリスクが低い結果となっています。
死亡率とビタミンD
米ジョンズホプキンス大学医学部の研究チームは、男女1万3000人を対象に1994-2000年の間「血中のビタミンD値」が低い人と正常値の人の死亡率を比較しています。
この結果、死亡した1800人のうち700人が心臓血管系疾患を原因としています。うち400人がビタミンDが欠乏していたことが明らかとなりました。
これは死亡リスクが26%高まることを示しています。
まとめ
ビタミンDは、生命活動維持に重要な免疫機能を調節する重大な栄養素です。
複数の免疫細胞系統におけるビタミンD受容体が発見され、ビタミンDが免疫機能の調節における重要な役割を持っています。
そして、自己免疫疾患の発症や予防における重要な役割を持つことも分かるようになりました。
ビタミンDは、多岐に渡る分野で報告が集まり大変注目されている栄養素です!
◉骨を丈夫にする
◉免疫力を上げる
◉鬱・統合失調症・認知症改善
◉脳力アップ
◉子宮筋腫リスク低減
◉糖尿病リスク低減
◉癌リスク低減
◉死亡リスク低減
ビタミンD欠乏症は、世界中で約半数の人に認められその率は上昇傾向にあるといわれます。
適度な日光浴とビタミンDの補給を心がけましょう!