
油は体に悪いイメージがあり極力避けている人も多いと思います。
実は、油は私たちの体にとって非常に大切な栄養素です。
しかし、脂質を摂りすぎてしまうと「肥満・高血圧・脂質異常症」などの生活習慣病にも繋がる事もあります。
今後、健康でいられるために”油”を見直して病気を防ぎましょう!
脂質の重要性
私たちの体は、約60兆個の細胞から作られています。
そのひとつひとつの細胞に欠かせないもの
「コレステロール」と「脂肪酸」と「リン酸」が結びついたリン脂質です。
全て脂質になっています!
脂質が無ければ動かないどころか、形を保つ事ができないのです。
いい脂質を取る→いい細胞が作られる→いい体が作られる
また、脳の成分は60%が油で出来ています。
不足すると脳機能が低下すると言われています。
コレステロールは特に脳と神経系に多く、1/4が脳に集中しています!
神経系全体では1/3強もあるとされていますから驚きです。
脳には、500億個〜1兆個もの神経細胞があり、その細胞の構成成分として”コレステロール”が不可欠だからなのです。
脂質が不足すると神経伝達細胞が不足し、うまく情報が伝達されない可能性があります。HIDEOUT
ビタミンとの関係
油は、ビタミンの吸収にも欠かせない存在です!
ビタミンには、水溶性と脂溶性があります。
脂溶性ビタミンは、脂質がないと体内に取り込むことがうまく出来ません。
- ビタミンA(活性化酸素の除去・免疫力向上など)
- ビタミンD(骨の形成・免疫力向上など)
- ビタミンE(抗酸化・神経伝達の正常化など)
- ビタミンK(動脈硬化・骨粗しょう症予防など)
このように、脂質不足は免疫や神経伝達などに大きく関わっており生命活動の維持に欠かせないのです!
特に、ビタミンDは脂質との関係が強いビタミンです!HIDEOUT
ホルモンと胆汁酸の関係
ホルモンというと「男性ホルモン」や「女性ホルモン」と言った性ホルモンをイメージしますが、ホルモンはそれだけではありません。
体内には無数のホルモンがあります。
血糖値を下げる働きをしている「インスリン」は膵臓のホルモンの一種です。
神経伝達物質の「アドレナリン」もホルモンの一種になります。
その他、メラトニンや甲状腺ホルモンなど様々なホルモンが機能して私たちの体は成り立っているのです。
その全ての生成に必要なのがコレステロールなのです!
コレステロールは体に悪いと思われていますが、非常に大きい役割を果たしているのです。
胆汁酸は、脂肪代謝に欠かせない存在です!
胆汁酸は、コレステロールを主原料として肝臓で作られています。
脂肪を摂取すると、胆汁酸は胆汁となり十二指腸に分泌されます。
ここで、脂肪の消化吸収において重要な役割を果たしているのです!
油の種類
脂質は、生きていくために不可欠な栄養素です。
ほとんどの植物油はオメガ6に属しています。
そのため、私たちはリノール酸過多になっています。
リノール酸が悪い訳ではないのですが、バランスの問題です。
オメガ3とオメガ6のバランスは1:1が理想です!
それは、オメガ3とオメガ6は真逆の働きをするからなのです。
しかし、私たちの食生活は… 1:20〜50
このような割合になっています。
また、オメガ6に分類されていても、オメガ6が100%という訳ではありません。
割合が大きいためその項目に入っているだけです。
よく、クルミがオメガ3に分類されている事がありますが間違いです。
ほとんどのナッツ類はオメガ3が1%にも含まれていません。
クルミは、オメガ3が13%含まれています。しかし、オメガ6は61%も含まれています。
クルミはオメガ6の食品と言えるでしょう!
食品名 | オメガ3 | オメガ6 |
アーモンド | 0.01% | 24% |
クルミ | 13% | 61% |
ピーナッツ | 0.18% | 30% |
シアシード | 57% | 19% |
αリノレン酸摂取でおすすめはチアシードです!
1Kgの有機JASオーガニック認定商品でも1550円です。
大さじ1杯のチアシードに水150cc入れて使用するので、正直全然減ないためコスパ最高です!!
我が家では、毎日豆乳ヨーグルトに入れて食べています。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸は、海外では規制されている有害な脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は常温で液体であるため、植物油に水素を添加して作られています。
健康に害がないなら何の問題もありませんが様々な病気を誘引します!
トランス脂肪酸についてこちらの記事に書いてあります。
植物油だから健康的なのではありません!
バターよりマーガリンが健康的というのは違います。
大量生産される植物油が原料なので、動物性脂肪より安価なだけです。
トランス脂肪酸は、ガン・鬱病・認知症・アレルギーなどあらゆる病気を誘発する”悪い脂質”なので摂取しないようにしましょう!
病気にならないために【予防・改善】
オメガ6とオメガ3は正反対の働きをします。
オメガ6の摂取量が多いと、過剰防衛反応が起こり炎症が促進されます。
1)アレルギー反応(アトピー・花粉症・喘息)
- リノール酸を避ける
- αリノレン酸、DHA、EPAを摂取する
アレルギー促進作用である「オメガ6」を摂取しすぎているため、アレルギー反応を起こしています。
オメガ6から作られる、アラキドン酸はロイコトリエンという物質を作ります。
これは、異物が入ってきた事に反応する役割があり、かゆみの強さはヒスタミンの1000倍もあります。
喘息を誘発するとも言われています。
2)心筋梗塞・脳梗塞
動脈硬化の原因のひとつがトランス脂肪酸です。
血管が詰まり、血液の流れが止まってしまい心臓で起こると心筋梗塞。脳で起これば、脳梗塞になります。
3)認知症
トランス脂肪酸は、摂取量が多ければ多いほど認知機能が低下するという調査結果が出ています。
脳の神経細胞は、オメガ3が20%以上含まれないと正しい情報伝達ができません!
オメガ3不足は脳機能に影響します。
認知症の人は、脳の神経細胞のオメガ3が極端に少なくなっています。
DHA・EPAを多く含む青魚を食べましょう。
子どもには、おさかな天国を聞かせるのもいいかもしれませんね。
魚は、養殖物は抗生剤・抗菌剤・ホルモン剤が使用されているため注意が必要です!
天然の物を選んでください!
また、生体濃縮の観点から大きな青魚ではなく、小さな青魚を食べるよう心がけましょう。
動物性油脂は、一歩間違えると毒の塊です。
畜産業でも、遺伝子組換えや肉骨粉(動物の死骸混入)が使用されています。
養殖魚同様に、抗生剤・ホルモン剤が投与されているため要注意です。
4)鬱病
セロトニン、ドーパミン、アドレナリンといった脳内神経伝達物質はコレステロールが主な原料です。
脳細胞は、脂質から形成され、脂質のエネルギーでも働きます。
そして、脂質から作られる伝達物質で機能しています。
5)ガン
トランス脂肪酸によって糖鎖※1が正常に機能しなくなり、ガンやウイルスに対抗できなくなります。
また、リノール酸はガンを促進する物質を合成します。
※1細胞間の情報伝達を行なっている
DHA・EPAはガン抑制効果が認められています!HIDEOUT
おすすめの油脂
私たちは、オメガ6を取りすぎています。
植物油を選ぶ時は、オメガ3が多い油がポイントです!
オメガ3もオメガ6も熱酸化しやすい油です。
特に、オメガ3は加熱調理に不向きです。
加熱調理に向いている油は、飽和脂肪酸である動物性油脂が熱に強い油です!
ラード(豚の脂肪)、ヘット(牛の脂肪)、バターなどです。
ただし、選ぶ際には注意が必要です。
ホルモン剤や抗生物質、飼料などに気をつけなくてはなりません。
ヘットやラードは信頼ある肉屋から取り寄せてください。
バターはグラスフェッドバター、遺伝子組み換え不使用などを基準に選んでください!
一価不飽和脂肪酸は、二重結合がひとつしかないため多価不飽和脂肪酸と比較すると変性しにくい油です。
一価不飽和脂肪酸であるオメガ9の代表はオレイン酸です。
オレイン酸の含有量が高いのは、オリーブオイルです。
また、菜種油やアボカドオイルもオレイン酸が多い油になっています。
我が家では、価格の面から「オリーブオイル・菜種油・米油」の3種類を使い分けています。
米油は、オレイン酸42%:リノール酸37%で抗酸化力が高いトコトリエノール(ビタミンEの一種)が含まれています。
抗酸化力はビタミンEトコフェロールの50倍です!HIDEOUT
詳しくは、三和油脂まいにちのこめ油
揚げ物も、もたれずサクッと揚がりおすすめです!
オメガ3であるαリノレン酸でおすすめは、えごま油になります。
農薬・化学肥料不使用で玉締め圧搾製法で作られています。
まとめ
◎トランス脂肪酸は取らない
◎リノール酸(オメガ6)を避ける
◎加熱調理は「オリーブオイル・グラスフェッドバター・菜種油・米油」を使い分ける
◎αリノレン酸を摂取する(えごま油・シアシード)
◎DHA・EPAを摂取する