
パワハラを経験している人は多いと思います。
パワハラが原因で、うつ病→退職(酷い場合は自殺)に追い込まれる等、社会問題にもなっています。教職員の間でも、パワハラ行為が行われているのは非常に残念としか言いようがありません!
会社を退職する時の理由は、パワハラだとは言えなくて”建前上”の理由を伝えていると思われます。
ホンネは「人間関係」が7割と言われています。
では、パワハラとは?パワハラをなくすためには?
今回、パワーハラスメント研修を受講しましたのでお伝えします。
1.パワーハラスメントとは?
パワーハラスメントとはどのような行為を指すのでしょうか?
職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて「精神的」「身体的」苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ報告」より
▼パワハラの「加害者」と「被害者」
当てはまる行為者と行為の主な例をあげます。
パワハラは上司と部下の関係だけに限りません!HIDEOUT
転勤や別の部署へ異動になった場合など起こり得る行為です。
このことからも、誰でもパワハラの行為者になりうると言えます。
▼業務の適正範囲を超える行為とは
行為者の言動はその場だけではなく、その後も色々なところで影響を発揮して組織全体に悪影響を及ぼします!HIDEOUT
▼パワハラの加害者になった場合
①民事上の責任として損害賠償を請求される
②刑事罰に課せられる(刑事罰・名誉毀損罪・侮辱罪・脅迫罪・暴行罪・傷害罪など)
③社会的信用を失う(減給・諭旨解雇・懲戒解雇など)
パワハラは他人事ではありません!今も、あなたのそばでパワハラに苦しんでいる人がいるかもしれません。そして、自分自身が加害者として訴えられた場合、あなたやあなたの家族の生活は崩壊してしまいます!HIDEOUT
2.職場のパワハラを考える
▼パワハラがおきやすい職場の特徴
①上司と部下のコミニュケーションが少ない職場 51.1%
②正社員や正社員以外など、様々な立場の従業員が一緒に働いている職場 21.9%
③残業が多い・休みが取りにくい職場 19.9%
②残業が多い・休みが取りにくい職場 40.5%
③上司と部下のコミニュケーションが少ない職場 35.2%
▼パワハラの6分類
1)身体的な攻撃
蹴る、叩くなどの社員の体に危害を加える行為によるパワハラ。威嚇して従わせようとするパワハラは許されるものではありません。
2)精神的な攻撃
「辞めてしまえ!」等の社員の地位を脅かす言葉、「ガキの使いじゃねぇんだからな!」「無能」などの侮辱、名誉毀損にあたる言葉、「バカ」「アホ」といったひどい言葉は業務を遂行するのに必要な言葉とは通常考えられません。
3)人間関係からの切り離し
必要もないのに「無視」や「仲間外し」等仕事を進めるためにならない行為。
4)過大な要求
能力や経験を超える無理な指示で他の社員よりも著しく多い業務を課したりする行為。
5)過小な要求
草むしりばかりさせる等の能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えない行為。
6)個の侵害
私的なことに関わる不適切な発言や私的なところに立ち入る管理などの行為。また、業務に関係ないことで部下や後輩をこき使う事も該当します。
3.指導とパワハラの違い
◎指導とは、ある目的や方向に向かって教えを導くこと。ミスを指導する時は、改善に向けた具体的な方法が指し示されることが必要!自分で考えさせる場合でも、放置ではなくフォローして成長へと導く。相手の成長を願って行われる行為のこと。
自分の怒りやイライラ発散のためになっていませんか?
▼精神的な攻撃に該当する行為
・皆の前で無能よばわりされる
・皆の前で大声で叱責される
・必要以上に長時間にわたり繰り返し執拗に叱れれる
・他のメンバーも宛先に含めて罵倒される
・机を叩いて威嚇する。脅迫する様なことをいう
▼パワハラに該当する言葉例
・早く辞めればいいのに
・主任失格
・使えないから期待していないよ
・いつ辞めてもいいんだよ。変わりはいくらでもいるんだから。
・いてもいなくても同じ
・クズ、ダメ人間
・給料泥棒
・無能
・バカ、アホ
▼ソーシャルメディアを使用したハラスメントに該当する行為
・SNSでイイネ!を強要する
・SNS上で、部下や同僚、後輩の悪口を投稿する
・メールやライン等で業務上明らかに無理な指示を出す等して精神的に追い詰める
・メールやライン等で業務に関係のない食事や飲み会を強制する
4.パワハラを防止するためには
◎パワハラが起きにくい職場は、上司、部下、先輩、後輩、同僚の間で適切なコミニュケーションが取られています。仕事で失敗しても、適切な指導が行われています。また、失敗してもそこから学び成長する環境が整っています。
自分の考えばかりを押してけていませんか?HIDEOUT
▼アサーティブなコミニュケーションを目指す
アサーティブとは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に表現することを意味します。
特定非営利活動法人アサーティブジャパンより
自分の考えを冷静に相手に伝えていますか?HIDEOUT
1)アサーティブコミニュケーション”内容を整理する”
「事実」「感情」「要望」
これを3つの要素に分けて整理
全ての要素が入り混じっている状態では、問題解決よりも相手を責める気持ちが強くなります!
2)アサーティブコミニュケーション”目的論で伝える”
原因論:「Aさん、また○○の報告を忘れているぞ!なぜすぐに報告しないんだ!」
目的論:「Aさん、○○業務の報告がありませんね。どうしたら報告できるようになります?」
出来ていない所に注意し原因を追求するのではなく、望む未来の姿のために何ができるかを考える。
原因論は敵対関係を作りやすいので注意!
3)アサーティブコミニュケーション”冒頭と語尾を丁寧に”
3)アサーティブコミニュケーション”Iメッセージで伝える”
まとめ
パワハラは、加害者にも被害者にもなり得る問題です。また、パワハラを行なっている人に自覚がないケースもありますので、会社全体でこの問題に取り組む必要性があります。
そして、問題を表に出して可視化しないと会社のパワハラ事情がわかりません。
実際当社のアンケート調査の結果は、1位が「精神的攻撃」で2位が「人間関係からの切り離し」でした。2位は以外だと感じている従業員も多くいました。このように、現場で働いていても「調査結果」の事実は違うのです。
さぁ、今から始めること。止めることは何ですか?
会社全体で「パワハラ」を防止に努めましょう!