
オキシトシンという言葉は聞いたことはありますか?
オキシトシンは「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」などと呼ばれている神経伝達物質のひとつです。
現代社会はストレス社会と呼ばれているとおり、ストレスフルな環境下で暮らしています。
特に新型コロナウイルス感染が長引き、気軽に外出できない日々が続いてストレスも高まっていることでしょう。
そんな時は「オキシトシン」の力を借りてみるといいかもしれません。
オキシトシンとは
オキシトシンは9個のアミノ酸で構成されるぺプチドホルモンの一種です。
脳の視床下部で生産され、脳下垂体から分泌されます。
代表的な機能は「コルチゾール」の分泌を抑える抗ストレス作用です。
恐怖という感情を抑えて、他人に対する信頼感や親近感を与える機能も果たします。
他にも
- 母と子の愛情
- 学校や会社
など、集団生活の中で人間関係を築いていく社会的行動にも関与しているという事で注目されています!
オキシトシンの効果
オキシトシンは、脳内のオキシトシン受容体に作用しい様々な効果をもたらします。
オキシトシンは抗不安作用もあります。オキシトシンが分泌されると、副交感神経の働きが活発になり、自律神経のバランスが整うと言われています!HIDEOUT
オキシトシンが分泌されると、目の前の事に集中できるようになり「記憶力の向上」や「学習意欲」が高まります。
熊本大学大学院生命科学研究部では、マウスの記憶力向上にオキシトシンが関与していることを示唆する論文を発表しています。
母親マウスは、バージンマウスに較べて記憶力が良く、それを司っているホルモンがオキシトシンであるということです。2度目の出産後授乳中の雌マウスと,同週齢の出産未経験マウスにおいて8方向放射状迷路を利用して空間学習能力を比較しました。中心の部屋より放射状に伸びる8つのアームの内、4つのアームの端に餌の小片を置き、ダイエットをさせた雌マウスを中心の部屋に入れます。毎日一回このタスクをマウスに与えると、マウスは、徐々にどのアームに餌があるか空間学習をします。この空間学習試験を利用して参照記憶(どのアームに餌があるか記憶すること。長期記憶の一種)と作業記憶(今、どのアームの餌を食べたか記憶すること。短期記憶の一種)について検討したところ、授乳中のマウスでは、出産未経験マウスと比較して、有意に参照記憶の向上が認められました。一方、作業記憶には、両者に有意な差は認められませんでした。また、出産未経験マウスの脳内にオキシトシンを投与すると、有意に参照記憶の向上が認められました(Tomizawa et al., Nature Neurosci 6, 2003)。 出典元:熊本大学大学院生命科学研究部
オキシトシンを増やす方法
オキシトシンは「自分が気持ちよい」と感じることを実行すれば分泌されます。
そのため、オキシトシンは自らの力で増やすことが可能なんです!
代表例をまとめたので、実行できそうななものから取り組んでみましょう。
1.スキンシップ
オキシトシンを分泌させる代表的な方法はなんといってもスキンシップです。
ペットや家族とのタッチやハグなどです。
2.マッサージ・エステ
スキンシップ同様に、オキシトシンの出し方としてはマッサージやエステもおすすめです。
「最近疲れがたまってるな」と感じる時は、マッサージやエステのお店で身体をケアをしてみましょう。
3.柔らかいものに触る
ペットに限らず、クッションなど柔らかいものを触ることで肌感覚が刺激されてオキシトシンを増すことが可能です。
4.かわいい動物を眺める
子猫や子犬といった可愛らしい動物を見るだけでも、オキシトシンが分泌されます!
YouTubeにはかわいい動物の動画がたくさんアップロードされていますので活用してみましょう。
私は、インスタグラムのポメラニアンの大吉くんでいつも癒されています。
5.親切にする
人に親切にすることにより「いい行ないをしたな」とすがすがしい気分になるのは、オキシトシンの作用です!
善行は人のためにも自分のためにもなりますので、是非実行してください。
社会全体が気持ち良く過ごせるようになりますよ。
6.いい匂いをかぐ(アロマテラピー)
オキシトシンの出し方としては、いい匂いをかぐこともあげられます。
日本メナード化粧品株式会社が2009年に発表した研究によると「ローズ・オレンジフラワー(ネロリ)・バイオレット」などの精油を含む香りを女性にかがせたところ、5分後に唾液中のオキシトシン濃度が1.8倍になったそう。
アロマテラピーでよく使われる精油”クラリセージ”もおすすめです!HIDEOUT
室内にアロマを漂わせるためには、場所によってアロマディフューザー等の使い分けが必要です。
■リビング:電動ディフューザー
加湿器のように水蒸気を出すタイプ。拡散力が強い
■玄関:リードディフューザー
オイルを入れた容器に細いスティックを差す。拡散力が弱い
■寝室:アロマランプ
温まったオイルがほのかに香る。優しい明かりでリラックス
7.映画鑑賞
感動した時や素晴らしいと感じたときにも、オキシトシンが活発に分泌されます。
心温まる映画鑑賞がおすすめです。
8.温冷刺激(サウナと水風呂)
いわゆる「整う」です。
サウナと水風呂の温冷刺激によって脳内で分泌されるのが
- オキシトシン(ストレス緩和)
- セロトニン(うつ症状の改善・精神安定)
- β-エンドルフィン(鎮痛効果や気分の高揚)
β-エンドルフィンは、モルヒネと同じような作用をします。鎮痛効果、気分の高揚、幸福感が得られる脳内麻薬です。これらの3つの物質が整うの正体です!HIDEOUT
9.瞑想
瞑想が心身によりよい効果をもたらすことはもう常識になっています。
瞑想を行うと、ストレスを受けたときに分泌されるコレチゾールが減りオキシトシンが分泌されます。
10.食品
オキシトシンは自分の好きな食べ物、大好物な食べ物を食べると分泌されます。
これは大変うれしい事ですが、オキシトシンは分泌されても他に影響が出るので程々に。
オキシトシンを体内でつくるには、材料となる栄養素の摂取が欠かせません。
オキシトシンを増やす食べ物として、以下のような食品を推奨しています。
- 赤身の魚
- バナナ
- 乳製品
- 大豆食品
- ナッツ
- そば
- 魚卵
- キノコ
- 海藻類
- ブロッコリー
- キャベツ
- トマト
- キクラゲ
- コーヒー
最後に
オキシトシンの分泌が活発になると、ストレスが軽減されて心身の健康維持につながります。
また、アンチエイジングホルモンとも言われているので、オキシトシンをどんどん分泌していきましょう!