油のはなし【基礎知識】

油はなんとなく、体に悪いイメージがありますよね。

ひとくちに油といっても、様々な油があります。

また、体にいい油と悪い油についても勘違いしている事が多々あります。

そこで、油の種類と特徴について説明します!

油の種類

油の種類

 

 

 

 

 

 

 

 

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

油は、大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されます。

油には、この両方が含まれています。より多く含まれる脂肪酸によって分類されます。

この2つの違いは融点(液体になる温度)です!

◉飽和脂肪酸は固体

◉不飽和脂肪酸は液体

余談ですが、固体の飽和脂肪酸は「脂」と書き、液体の不飽和脂肪酸は「油」と書きます。

【飽和脂肪酸の種類】

 脂肪酸名  食品名 炭素数 二重結合数 融点(℃)
ラウリン酸 ココナッツ油 12 44
パルミチン酸 バター・ラード 16 63
ステアリン酸 牛脂・ラード 18 70
アラキジン酸 ピーナッツ油 20 76

飽和脂肪酸には二重結合がありません!

二重結合がないため熱に強い油です。また、炭素数が多いと融点が高くなります。

水素と炭素が隙間なく繋がっているため結合が強いのです。(炭素C・水素H)

 

 

 

 

 

 

【不飽和脂肪酸の種類】

※代表的な脂肪酸と食品名になります。

不飽和脂肪酸の種類 分 類 脂肪酸名 食品名 炭素数 二重結合数 融点(℃)
一価不飽和脂肪酸 オメガ9 オレイン酸 オリーブオイル・菜種油 18 13
多価不飽和脂肪酸 オメガ6 リノール酸 紅花油大豆油ごま油 18 −5
多価不飽和脂肪酸 オメガ6 γリノレン酸 月見草油・母乳 18 −26
多価不飽和脂肪酸 オメガ6 アラキドン酸 レバー・卵黄 20 −49
多価不飽和脂肪酸 オメガ3 αリノレン酸 しそ油えごま油 18 –11
多価不飽和脂肪酸 オメガ3 EPA ぶりさばなどの青魚 20 −54
多価不飽和脂肪酸 オメガ3 DHA いわしさばなどの青魚 22 −44

炭素と水素のつながりが、炭素の鎖の端から

3個目で切れているのがオメガ3系

6個目で切れているのがオメガ6系

9個目で切れているのがオメガ9系になります。

 

 

 

 

 

 

 

二重結合の数が多いと熱に弱いです!

原子同士の結びつきが弱いためです。

オメガ9

加熱調理をするならオメガ9がいいでしょう!

オメガ9は一価不飽和脂肪酸です。

二重結合が1つだけ。

オメガ6やオメガ3と比較して変性しにくいのが特性です。

オメガ9の代表は「オレイン酸」です。

オレイン酸が多い油
  • オリーブオイル
  • アボカド油
  • 菜種油
  • 椿油
オレイン酸の効果
  • 血液サラサラ効果
  • 血栓抑制効果
  • 抗酸化作用

オリーブオイルは本物を購入して下さい!

に入った低温圧搾を基準にして下さい。

ただし、本物は高価です…。

そこで、基準をクリアした安価なオリーブオイルを紹介します!(私が使用しているオリーブオイルです)

ヴィラブランカ オーガニックエクストラバージンオリーブオイル 500ml【コールドプレス製法 有機JAS認定】

◉参考:amazon 価格 1081円 2020.09.26現在

※ペットボトルもあるので注意

ペットボトルはプラスチックの有害物質が溶け出して、油に混ざっている可能性もあります。

ここでは、詳細は省きますが市販の油は危険がいっぱいです。

昔の事件ですが、粗悪な安い油で体を壊さないよう気をつけましょう!

参考:長崎新聞「カネミ油症50年の証言」

オメガ6とオメガ3

オメガ6とオメガ3は多価不飽和脂肪酸です。

しかし、体内に入ると正反対の働きをします!

オメガ6
  • 血液凝固作用
  • 血栓促進作用
  • 炎症促進作用
  • アレルギー促進作用
オメガ3
  • 血管拡張作用
  • 血栓抑制作用
  • 炎症抑制作用
  • アレルギー抑制作用

比較すると、オメガ6は悪い油に感じます。

しかし、炎症やアレルギーも外敵から細胞を守るために必要な作用なのです!

両者は、どちらが良くてどちらが悪いという訳ではありません。

バランスがよく働いて、健康な細胞が保持できるのです。

ほとんどの植物油はリノール酸(オメガ6)が含まれています。

オメガ3:オメガ6

理想は 1:1〜4

これなら、問題ありませんが私たちは

1:20〜50

これでは、花粉症などのアレルギーが増えるのも納得です。

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油だけではなく加工食品、菓子パン・スナック菓子・カップ麺・カレーなどのルーにもリノール酸が入っています。

繰り返しになりますが、オメガ6が悪い油ではありません。

しかし、現代の食生活ではやめるくらいの覚悟がないと、理想のバランスにはならないことを自覚しましょう。

オメガ6(リノール酸)は摂取しないようにすること!

オメガ3系(αリノレン酸)のえごま油などは炒め物には不向きです。で食して下さい!

DHA・EPAも生に近い方がいいため、加熱調理する時は高温で揚げたり焼いたりするより低温調理(茹でる・煮る・蒸す)して下さい。

こちらの記事にも、オメガ3について触れています。

 

まとめ

◉飽和脂肪酸:二重結合なし

不飽和脂肪酸:二重結合あり

◉一価不飽和脂肪酸:二重結合1つ

◉多価不飽和脂肪酸:二重結合2つ以上

<主な脂肪酸>

◉オメガ9系(一価不飽和脂肪酸):オレイン酸

オメガ6系(多価不飽和脂肪酸):リノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸

◉オメガ3系(多価不飽和脂肪酸):αリノレン酸・EPA・DHA