2人に１人が水銀過剰！？水銀が与える人体の影響とは

水俣病は、日本の公害の歴史で忘れることができない重要な出来事です。

原因物質は、神経毒性の強いメチル水銀です。

熊本県水俣市にある工場の排水に含まれていた「メチル水銀」が海の中の食物連鎖により、濃縮され人の食する魚に高濃度に蓄積されました。

汚染された魚介類を大量に食べた地域の住民が、運動失調や視野狭窄を主徴とする神経疾患に罹患した。

HIDEOUT

直接魚を食べた住民だけではなく、胎児性水俣病 も発生しました。これは、胎児期に妊娠中の母親が汚染された魚介類を食べたことが原因です！

そこで、気になるのが「魚介類の水銀」について基準はないのか？ということです！

日本では、魚介類の水銀については「総水銀0.4ppm・メチル水銀0.3ppm（水銀換算）」という暫定的規制値が設定されています。

しかし「マグロ類・深海魚類・淡水魚類（湖水産魚介類を除く）」については適用対象外とされています。

HIDEOUT

適用除外規定が設けられたのは「高級魚種で摂取量が少ない・含有される水銀が天然由来である・健康被害の懸念がない」と当時説明していますがおかしな話です！

注意が必要な魚介類とは

厚生労働省の注意事項は魚種毎に摂食目安の頻度が違い、複雑で分かりにくいものになっています。

残念ながら、細かく魚種ごとの摂取頻度を示したとしても、消費者が覚えることは難しいです。

日本と同様、各国でも政府機関から魚介類のメチル水銀について注意喚起が出されています。

「アメリカ・EU・イギリス」では幼児も注意喚起の対象になっています！

国	対象者	注意事項の内容
日本	妊婦、妊娠の可能性のある方	バンドウイルカ：2ヶ月に1回まで。コビレゴンドウ：2週間に1回まで。キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチ（メバチマグロ）、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ：週に1回まで。キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ：週に2回まで
アメリカ	妊娠する可能性のある女性、妊婦、授乳中の母親、幼児	サメ、メカジキ、サワラ、アマダイの摂取を避ける。エビ、ツナ缶、サケ、タラ、ナマズは週に340g以下。週2回魚介類を摂取する場合、ビンナガマグロを170ｇ以下
EU	妊娠する可能性のある女性、妊婦、授乳中の母親、幼児	大型の捕食性の魚は週に多くて1食（100g）以下。大型の捕食性の魚を食べた場合には、その週はいかなる魚も食べない。マグロを週2回以上食べない

出典元：厚生労働省

全ての魚介類に同じようにメチル水銀が含まれるわけではありません。

海の食物連鎖の上位にある動物、寿命の長い動物に高い濃度のメチル水銀が含まれます。

同じ魚種でも、大きさなどによって、メチル水銀濃度は大きく異なります。

注意が必要な魚介類は、マグロ類（マグロ、カジキなど）・サメ類・深海魚類・鯨類（鯨、イルカ）などです。

水銀は、様々な用途に使用されてきました。

そのため、水銀を扱う工場に従事する労働者の中毒や工場の排水に含まれた水銀に汚染された魚介類を摂取したことによる中毒。

また、水銀によって殺菌・消毒された農作物を摂取したことによる中毒など、これまでに「アメリカ・イギリス・カナダ・ブラジル・中国」など世界各地で健康被害が報告されています。

これらの被害は、家族単位や特定の地域など限定的なものであり、 深刻かつ大規模な公害としては水俣病が挙げられます！

豚肉を食べた一家4人が中毒

工場労働者ら4名がメチル水銀中毒

農薬に含まれている無機水銀による中毒

7歳女児と2歳6か月の男児が無機
水銀中毒

スウェーデン　　　　　　　　　　

4人の急性中毒発生、2人が死亡

金の精錬に使用された金属水銀による河川の
汚染

下流住民に水銀中毒が発生

下流で漁業を営む住民に水銀中毒が発生

最後に