糖質制限で認知力アップ!”ケトン体”の効果とは

脳には「砂糖」(ブドウ糖)が必要だと思っていませんか?

これは、砂糖業界が「砂糖は脳に必要」という宣伝していることがありますが巧妙な表現です。

結論から言うと、脳は「ブドウ糖」がなくても、脂肪から発生する「ケトン体」で機能します。

糖質制限を行う事で、ダイエットだけではなく様々な波及効果があります。

このことは、ケトン体が関係しているのです。

ケトン体とは?

ブドウ糖は「乳酸・アミノ酸・グリセロール」から作られます。

糖質制限を行うと、血液中のブドウ糖を使う事で糖質がなくなるため、肝臓が「中性脂肪」を分解し「ケトン体」を作ります

ケトン体は「β-ヒドロキシ酪酸・アセト酢酸・アセトン」この3つ物質の総称です。

ケトン体は、血液を通して全身の細胞に送られます。送られたケトン体は、細胞内のミトコンドリアに入りエネルギーを作ります。

脳は、このケトン体もエネルギー源として利用できるため、糖質を補給しなくても脳は機能するのです。

ケトン体の効果

炭水化物などの、糖質制限を行う事でケトン体は作られますが、このケトン体には健康上のメリットがたくさんあります。

体脂肪を燃焼させる

ケトン体を作るという事は、中性脂肪を分解する事!

これは、体脂肪を燃焼するという事です。つまり、運動をしなくても体脂肪を減らす事ができるという事なんです。

脳の認知機能がアップ

年をとると毛細血管が少なくなり血流が悪くなります。

しかし、食事によってケトン体を誘発する事で毛細血管を増やす働きがあります。このことにより、脳の血流がよくなって認知機能がアップするのです。

これは、ラットの実験で「標準食よりケトン食を与えられた方が20%認知機能がアップした」といものです。

サーチュイン 遺伝子をON

サーチュイン遺伝子は、アメリカマサチューセッツ大学のレオナルド・ガレンテ博士により発見されたタンパク質です。

サーチュインとは、老化や寿命を制御するとされるサーチュイン遺伝子が作り出すタンパク質ですのことです。

このタンパク質は、哺乳類にも7種類あります(sirt1〜sirt7)

ケトン体は、このうちのsirt3を活性化させます。

sirt3は、アデノシン三リン酸を産生します。アデノシン三リン酸とは「生命のエネルギーの通貨」と呼ばれており、様々な酵素反応のエネルギーになっています。

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sirt1〜sirt7をまとめて”Sirtuin”(サーチュイン)と呼ばれることもあります

sirt3が活性化すると、細胞の老化予防が期待できます。つまり、ケトン体が増えれば「アンチエイジング効果が高くなる」という事になります。

さらに、sirt3が活性化したマウスは、アミロイドβタンパク質が減少したという報告があります。これは、アルツハイマーを発病した時に脳に蓄積する物質です。

このことから、ケトン体がアルツハイマーの予防になる可能性があります。

てんかん治療

元々ケトン食は、てんかんの治療として用いられてきました。てんかんは、脳の「電気活動」の過剰興奮で起こる疾患です。

てんかん発作の原因と考えられている、ブドウ糖の代わりにケトン体をエネルギーに使うというものです。このことにより、てんかんの発作を抑制します。

ケトン食のメリット

1)集中力がアップする

糖質や炭水化物を取らないため、血糖値が急激に上がる事はありません。このことで、インスリンの分泌も穏やかなため集中力はアップします。

2)昼食後に眠くならない

食後に眠くなる原因は、インスリンが大量に出るからです。昼食後、仕事や勉強の効率が下がる心配もありません。

3)体重が減少する

肥満の人は、体内の脂肪が燃焼されるため体重は減少します。

4)若返り効果

細胞の新陳代謝が活発になるため、肌が若返ります!

5)サーチュイン遺伝子ON

サーチュイン遺伝子のsirt3が活性化して、アンチエイジング 効果が高まります。

6)イライラが減少

糖質制限を行なっているため、血糖値の乱降下が起きません。そのため、イライラが減少します。

また、ケトン体は癌治療に研究もされています。

イギリス医学雑誌「ネイチャー・メディスン」にも「ケトン体が炎症を抑制する」という論文も発表されています。

スポーツの効果も注目されています。

これは、サッカーの長友選手が注目するようになってから、世の中に広く知られるようになりました。「ケトン体回路にしたい。ケトン体が燃えやすく、キチンとエネルギー源になりやすい体質になりたい」と長友選手がコメントした事が、スポーツ選手の関心を集めました。

ケトン体は、人体のメインのエネルギー源であり、自然で安全な物質です。