認知症を防ぐ5つの方法!

自分自身や家族が認知症になってしまったらどうしよう…

そんな不安を抱いたことはありませんか?

残念ですが、現時点では「認知症」を根本的に治せる薬はありません!

そこで「かからないようにする」ことが重要になります。

確実な治療がないため、早期発見より予防が大切になります。

認知症とは?

日本では、高齢化の進展とともに認知症の人数も増加しています。

65歳以上の高齢者では7人に1人程度とされています。

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認知症の前段階と考えられているMCI(軽度認知障害)の人を加えると4人に1人の割合になります!

認知症とは「記憶」や「判断力」の障害により、生活に支障をきたす状態のこと。

もう少し詳しく説明すると

脳の「変性疾患」や「脳血管障害」により「記憶」や「判断力」の障害などの認知機能の低下が6カ月以上継続して、社会生活や対人関係に支障が出ている状態のことになります。

認知症、痴呆症、アルツハイマー病などの言い方があり混同している人もいるため整理します。

  • 痴呆症
    以前は「ボケ」や「痴呆症」と言われていましたが厚生労働省が2004年12月に、痴呆症という言葉の使用を止め認知症」と改めた
  • アルツハイマー病
    認知症のうちのひとつで「アルツハイマー型認知症」という

認知症の種類

血管性認知症や炎症・脳腫瘍等、様々なな病気によって引き起こされますが、ここでは「神経変性疾患」の代表的な4つについて説明します。

1)アルツハイマー病

1番多いのがアルツハイマー病です。

物忘れから始まる場合が多く、段取りができない、気候に合った服が選択できないなどの症状が現れます。

1960年にドイツの医学者「アロイス・アルツハイマー」が、学会ではじめて認知症の症例を報告したことが由来。
進行性の病気であり、現在の医学では完全に治療することはできません。

また、原因は完全に解明されていません。

最も有力な説は、脳内に「アミロイドβ」や「タウ」などの異常なタンパク質が蓄積して、それが脳の神経細胞の働きを低下させるという見解です。

蓄積すると、はじめに海馬が萎縮し最後には脳全体が萎縮します。
このような変化は症状が出る10年以上前から起きていると考えられます。

症状として、脳の細胞が壊れて起こる中核症状

行動・精神症状とも言われる周辺症状

この2つの症状が現れますが、患者には病気であるという認識がありません。

■中核症状

最近のことが覚えられず、同じことを何度も聞いたりします。
病気が進むと昔の経験や、学習した記憶も失われる記憶障害のこと。

■周辺症状

居場所や地図が分からず徘徊したり「物を盗られた」などの妄想が出ることもあります。
また、周囲に怒鳴り散らす人もいます。
睡眠障害も伴うと昼夜逆転し、夜になるとさらに妄想や幻覚などが加り出やすいのが夜間せん妄です。

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最近の研究では「糖尿病」や「高脂血症」の患者は、アルツハイマー病のリスクが高いと報告されています!

2)脳血管性認知症

アルツハイマー病の次に多い認知症の疾患となっています。

脳血管性認知症とは、脳の血管障害でおきる脳梗塞や脳出血によって起こる認知症のこと。

脳血管性認知症は認知症全体の約20%を占め、男性の方が多く発症しています。

例を上げると
血栓により血管が詰まったり(脳梗塞)、脳の血管が破れて出血してその後遺症が残ったりすると(脳出血)、その部位および周辺にある神経細胞が壊れます。それが原因で、認知症を起こす可能性があります。

症状として「記憶障害」や「言語障害」などが現れやすく、アルツハイマーより歩行障害が早く出ることが多いです。

3)レビー小体型認知症

レビー小体型認知症の原因となる「レビー小体病」は、認知記憶障害を中心とする認知症の症状に加えて、特徴的な症状があります。

その特徴は、動作が遅くなって転倒しやすくなるパーキンソン症状
幻視症状」や大声での寝言や体を動かすなどのレム睡眠行動障害などが該当します。

男性の方が女性の約2倍発症しやすく、他の認知症と比べて進行が早いのが特徴です。

レビー小体が現れる原因については、明らかになっていません。

記憶を司る側頭葉と情報処理を司る後頭葉の障害が原因だと考えられています。

■認知機能障害

認知機能の障害は、いつ・どこといった状況の把握が難しかったり、会話の理解力低下します。

■幻視症状

知らない人がいるなどといった、実際には見えないもの見える症状の幻視が現れます。これらの視覚性の認知障害は夜間に現れやすくなります。

■パーキンソン症状

パーキンソン病に似た運動の障害のこと。
転倒の危険が高くいため、寝たきりにもなりやすいです。

4)前頭側頭型認知症

脳内の「前頭葉」と「側頭葉」の萎縮が見られ、他の認知症では現れにくい特徴的な症状が見られます。

会話中に突然立ち去る、万引き、同じ行為を繰り返すなど、性格変化社会性の欠如が出やすいのが特徴です。

■社会性の欠如

万引などの軽犯罪や、身だしなみに無頓着になるなど、社会性が欠如が現れます。

■抑制の欠如

暴力や度を越してふざけるなど、自分に対して抑制が効かなくなります。

■同じことを繰り返す

同じような動作を取り続けるといった、同じ行動を繰り返すようになります。

■感情がにぶくなる

他人に共感できない、感情移入ができないなど感情がにぶくなります。

■言葉の低下

オウム返しをしたり、いつも同じ言葉を言い続けるといった、自発的な言葉が出にくくなります。

認知症予防

認知症にならないためには、どうしたらよいのでしょうか?

①食事

②運動

③社会参加

④知的行動習慣

⑤睡眠

この5つが効果的とされています!

また、糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病が、認知症のリスクを高めることが分かっています。

これらを改善するには、①食事と②運動になります。

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特に糖尿病の人は、アルツハイマー病や血管性認知症を発症するリスクは2~4倍に上昇しますので注意が必要です!

食事

アメリカのラッシュ大学医療センターの研究では「マインド食」と呼ばれる食事をとっている人は、アルツハイマー病の発症リスクが53%も低下したそうです。

マインド食とは、高血圧症を予防するための食事法を改良した食事療法のことです。

おすすめ食品

青魚(DHA・EPA)
②ワイン
③ベリー類
④緑黄色野菜
⑤豆類
⑥根菜類

⑦ナッツ類
⑧全粒穀物

⑨オリーブオイル
⑩鶏

特にサバ・イワシ・サンマなどの青魚を摂ると、コレステロールを減少させるDHAやEPAを多く含み、アルツハイマー病の発症リスクが低下するという報告があります。

魚が苦手な方や手軽に続けたい方はえごま油がおすすめです。

チアシードもオメガ3が豊富なためヨーグルトに入れて食べたり気軽に続けられます。

アメリカのタフツ大学の調査によると、魚を週2回食べている人は、月1回しか食べない人に比較してアルツハイマー病の発症は約41%減少するという結果が報告されています。

また、ビタミンやポリフェノールなどの抗酸化作用のある栄養素には、活性酸素によってうける神経細胞のダメージを減らす作用があります!

運動

1日30分の運動を週3回以上行うことが良いとされています。

有酸素運動をすることで、脳由来神経栄養因子が出て新しい神経や血管が生まれることがわかっており、認知症の予防につながると期待されています。

1つは、筋力強化トレーニングと有酸素運動を組み合わせたトレーニングが認知機能の改善をしたと報告しています。

2つめは、運動に認知課題(頭の体操)を組み合わせた運動により、認知症の予防に有効であるとされています。

社会参加

社会生活の場で他人と交流し話すことが脳に刺激を与え、神経細胞ネットワークを活性化できると考えられています。

そのため、社会的な交流を通じて他人とコミュニケーションを図ることが、認知症を予防するためには効果的とされています。

知的行動習慣

読書や楽器演奏、美術館へ足を運ぶなどの知的活動が認知症の発症数を減少させたと報告しています。

趣味を持つこと、料理をすること、社会の中で役割を持つことが認知症予防につながります。

睡眠

睡眠の時間が確保できないと、アミロイドβが徐々に脳に蓄積されていきます。

そうすると、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高まる可能性が指摘されています。

アミロイドβが脳に蓄積されると、脳の神経細胞が破壊されて認知症を発症するのではないかと考えられています。

その他の予防

  • インドでのアルツハイマー病の患者数はアメリカの1/4。カレーのスパイスに含まれるウコン(ターメリック)の成分であるクルクミンがアルツハイマー病を予防する可能性が示唆されている。
  • が半分以上ない人にアルツハイマー病が多いため、若い時から口腔ケアに務める。
  • 老化した脳の活性化、記憶力の回復に葉酸が有効。
  • チョウの葉エキスに含まれるギンコライドは活性酸素の発生をおさえ、認知症を改善する効果がある。
  • 日本茶(緑茶)に含まれるカテキンはアルツハイマー予防効果がある。
  • 飲料水のアルミニウム濃度が高いと神経の病気が多い。以前、人口透析患者が透析液に含まれるアルミニウムにより認知症が多発した。

最後に

認知症予防は、いかに長く元気に活動するかという「持久戦」になります。

そのためには続けられる方法であることと、続けられる環境をつくるこが大切になります。

筋力の衰えや認知機能の衰えをできる限り遅らせ、外に出かけて人と会うなど”社会参加”も意識して自分らしい生活を続けましょう!

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