
「眠気覚まし」や「集中力を高めたい」などの理由から「眠気防止薬」や「エナジードリンク」の需要が増えています
手軽に購入できることや「栄養ドリンク」のイメージとはとは違い「エナジードリンク」のネーミングから、多くの学生が「かっこいい」といった印象を抱いているようです。実際、子供が通っている中学校でも、多数の学生が飲んでいるようです
カフェインにはメリットもありますが、デメリットもあるのでその特性を知る必要性があります
急性カフェイン中毒とは
カフェインの過剰摂取が原因で、救急搬送される若者が急増しています
カフェインは依存性があり、短時間に過剰に摂取すると「めまい・過呼吸」などの中毒症状が現れて死に至るケースもあります
▼カフェイン依存症
常時カフェインを摂取していると「カフェイン耐性」の体になり、より多くのカフェインを求めるようになります
また、カフェイン中毒が増え始めた2013年は「エナジードリンク」が自動販売機販売されるようになった時期です
「エナジードリンク」と「栄養ドリンク」の違いは?
「エナジードリンク」も「栄養ドリンク」もカフェインが入っている点は同じです。同じですが、この2つは全く種類は異なります
- 栄養ドリンク→医薬部外品
- エナジードリンク→清涼飲料水
医薬部外品は薬事法で定められており、効果がある程度認められているため「滋養強壮」や「栄養補給」といった効果を表記できます
清涼飲料水は食品にあたります。食品は「食品衛生法」で医薬品等に該当しないものとされています。そのため「効能・効果・用法・用量」を表示はできません
では、エナジードリンクはただの炭酸飲料か?
違うんです。エナジードリンクには、カフェインが多く入っており、子どもも手軽に買えてしまう所が問題なんです!
エナジードリンクは、若い世代でブームになっています。勉強のための「眠気覚まし」や「集中力」が高まるなどの理由からです。そのため、エナジードリンクを気軽に飲む学生が増えてしまったのです
試験勉強の時に飲む学生は多いですHIDEOUT
栄養ドリンクとエナジードリンクのイメージは?
- 栄養ドリンクは「おじさんの飲み物」
- エナジードリンクは「若い世代の飲み物」
エナジードリンクは、「パッケージがおしゃれ」「ネルギーがチャージできて勉強や仕事が頑張れそう」そんな印象がします
使用目的は「眠気覚まし」や「集中力アップ」かもしれませんが、もっと飲みたいという気持ちを抑えられなくなる可能性があります。これが、若い世代のカフェイン過剰の背景といえるでしょう
毎日飲用したり、飲む量が増えてやがて「カフェイン中毒」になるのです
「エナジードリンク」と「栄養ドリンク」のカフェイン含有量
ここでは、分かりやすいように1本あたりの含有量を表にしました
▼エナジードリンクと栄養ドリンクのカフェインの含有量
商品名 | 1本あたりの含有量 |
モンスターエナジー:355ml | 142mg |
レッドブル:355ml | 113.6mg |
リポビタンD:100ml | 50mg |
コーヒーが100ml:60mgなので、エナジードリンクがとびぬけてカフェインが多い訳ではなさそうです
しかし、子供の体重によってはい1本飲んだら「許容量」をオーバーしてしまうのでやはり注意が必要です
未成年に対する販売規制
カフェインの過剰摂取による健康被害を危険視し、各国は「注意喚起」や「未成年に対する販売規制」が行われています
日本は?
▼未成年に対する販売規制
韓 国 | 小中学校でコーヒー販売禁止 |
カナダ | エナジードリンク販売禁止 |
リトアニア | エナジードリンク販売禁止 |
エジプト | 教育スポーツ関連施設でエナジードリンク販売禁止 |
イギリス | 表示義務・販売自粛 |
アメリカ | 販売規制呼びかけ |
日 本 | な し |
子どもは、「健康被害」が伴うことを知りません!
ただ単に「みんなが飲んでいるから」などの理由で、エナジードリンクを何本も飲むような行為は大人の責任だと思います
カフェインの許容量
安全にカフェインが摂取できる量は「体格」や「体質」により違います
日本では、カフェインの1日当たりの「摂取許容量」の基準はありません
- 1回の許容摂取量:3mg/kg
- 1日の許容摂取量:5.7mg/kg
アルコール同様に、体質も関係するので注意が必要ですHIDEOUT
▼EFSA(欧州食品安全機構)
安全とみなされる量 | 体重40kg | 体重60kg |
成人:1日に5.7mg/kgまで | 1日228mgまで | 1日342mgまで |
小児~青年:1日に3mg/kgまで | 1日120mgまで | 1日180mgまで |
妊婦・授乳婦:1日200mgまで | ー | ー |
健康な成人が摂取しても、安全と考えられるカフェインの量になります。体重により、かなりの幅があることが分かります
食品における「カフェインの含有量」はこちらを参考にしてください
致死量
前述どおり、カフェインの分解能力は個人差があります
- 半数致死量:200mg/kg
※半数致死量とは、その量を摂取した動物のうち半数が死亡する用量のこと
- 致死量;5g以上/kg
カフェイン中毒にならないために
まずは、カフェインが何に入っているのか知ること
そして、カフェイン許容摂取量を参考にすることではないでしょうか?
飲み方も、一気飲みをしない
飲みすぎたら、水分を取ることです
そしてカフェイン摂取を「習慣化」しないことです
勉強前には必ず飲むなど、同じことをしていると、つい”クセ”になってしまいます
これは、そもそも論ですが、子供にエナジードリンクは必要ありません!
疲れたり集中力に欠ける場合は「休ませる」です!
睡眠を確保させて、栄養がある手作り料理を食べさせてあげるのが1番です
近年、手軽さと飲みやすさから人気があるエナジードリンクですが、安易に手に取らないよう親が注意する必要があります